あの大震災から5年が経過しました。
もう5年、やっと5年、いろいろ思うところもありますが、せめて自分でも忘れないようにということで相変わらず横浜市で計測されている線量を記録しております。保土ケ谷区仏向西でのデータは引き続き公開されており、これをグラフにまとめております。
京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループの今中助教のゼミのレジュメが公開されておりましたので、紹介させていただきたいと思います。
ゼミを受講したわけでもなく、レジュメを拝見しただけなのですが、研究者とのしての本音とはこういうものか、と思いました。
さすがに事故から5年、情報量も多くなり、また整理され、冷静な議論ができるようなベースができてきたように思われますが、一方で理屈に合わず、思い込みやなにか別の意図があって流布される不確かな情報もたくさんありますね。正直、憤りを覚えることも。
福島第一原発の敷地内も、事故から5年後のいま、場所によってはマスクも無しで入場できるところがあるとか、現場もかなり片づけが進んだとか、それは事実でしょう。実際に作業に関わられている方々には敬意を表したいと思います。
でも、問題の解決には程遠いのもまた事実。まだまだ道のりは遠く、また見えていません。この問題はずっと見続けていかねば、と思います。
第112回 原子力安全問題ゼミ 福島原発事故から5年 2016/2/10
今中哲二(京都大学原子炉実験所)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No112/imanaka20160210.pdf
京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html
拙サイトでのミラー
http://corsalibera.sytes.net/files/20160307/imanaka20160210.pdf
(今中助教もこの3月で定年退職されるとのことで、この研究グループのサイトがいつまで維持されるのか現時点では不明ですので拙サイトでミラーしておきます。権利者よりこれが不適切であるとのご連絡をいただいた場合は削除いたします。)
以下は蛇足。
セシウム134で18PBq、セシウム137で15PBqだそうです。(PBq=1015Bq)
これがセシウムという金属の量(重量)として換算した場合、Cs134が380g程度、C137が4.7kg程度がぶちまけられたということになります。
ちなみに燃料の総量は(ウラン装荷量として)350kgだそうです。
食品でよく言われる100Bqという値ですが、Cs137で0.031ngとなります。
(1ng=1/1000000000g です)
何Bqという数値を気にされている方、多いと思うのですが、どのくらいの大きさの数の議論なのか、というイメージを持っていただいてはいかがでしょうかね。(恥ずかしながら私も今回、再計算を通じて勉強しました)
放射性物質放出量データの一部誤りについて 2011/10/20 経済産業省
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9395049/www.meti.go.jp/press/2011/10/20111020001/20111020001.html
福島第一原子力発電所 設備の概要 東京電力
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/intro/outline/outline-j.html
高精度計算サイト 放射性物質のベクレル値 – CASIO
http://keisan.casio.jp/exec/system/1301012764