新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 日本国内の発生状況を整理してみる(その31)


前回が12/6。約1か月が経過しました。非常事態宣言から9か月くらい経過しました。

12月の初めには頭打ちのように見えた推移も(悪い方向に)裏切られ、年末にかけて陽性者数はもっと増えました。
1都3県に緊急事態宣言の再発出を検討(菅内閣総理大臣記者会見(2021/1/4))する、との話になってきております。

推移を見てみると、昨年の「第一波」、「第二波」においては、重症者数が増加すると、重傷者数/入院者数(入院者数に占める重傷者数の割合)が一旦下がり、後に増加してゆき、これがピークを迎えると重傷者数が減少してゆく、という動きがあります。
考えてみれば重傷者となった方々が回復してゆく、その数が追いついてくれば相対的には重傷者数が減る(新規も減る、回復によってさらに減る)ということで当たり前なのかとも思われますが。

「第三波」と言われる11月以降の推移では、11/25頃に重傷者数/入院者が下がりかけたものの、少し上昇したままになっている、また年末にかけて少しずつ下がってきているように見える、という動きがあるようです。まさか、と思いますが「第三波」の中で2回増加したというようにも見ることはできないでしょうか。つまり、11/20頃をピークとした増加と現時点(2021/1/4)に繋がる増加の2回です。
何が言いたいかと言うと、「原因が複数あるんじゃないか」ということです。ここからは掘り下げられないので「そう見えるんじゃないか」という域を出ないのですが。

そのように見えてきたところで、巷でいわれているイベントと陽性者数の推移を重ねてみました。

・GoTOトラベルの開始(2020/7)から、しばらくして確かに陽性者数は増加したが、その後減少に転じた。
・GoToイートの開始(2020/10)から有意に陽性者が増加したということもなさそう。
・2020/11頃から外国人の入国制限が緩和されてきている。
外国人を悪く言う意図はありませんが、陽性者の増加は世界的な傾向ということもあり、また海外からの流入をもっと制限する、あるいは止める、という強い処置は必要ないのでしょうか。

訪日外客統計(報道発表資料) 2020年11月推計値(2020年12月16日発表)|日本政府観光局(JNTO)
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/201216_monthly.pdf

韓国からの入国者(2020/11 2,800人)
10月8日から「レジデンストラック」及び「ビジネストラック」が運用されている。なお、韓国に対する感染症危険情報のレベル2への引き下げに伴い、11月1日から上陸拒否及び上陸時のPCR検査受診対象指定が解除されている。

中国からの入国者(2020/11 18,100人)
11月30日から「レジデンストラック」及び「ビジネストラック」が運用されている。なお、中国に対する感染症危険情報のレベル2への引き下げに伴い、11月1日から上陸拒否及び上陸時のPCR検査受診対象指定が解除されている。

空港検疫での検査でも下記のように陽性者が発生している。
新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年12月31日版)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15828.html

(2)空港検疫に係る発生状況
空港検疫での陽性者の国籍内訳:
(3月)日本国籍60名、外国籍6名。合計66名。
(4月)日本国籍68名、外国籍12名。合計80名。
(5月)日本国籍19名、外国籍26名。合計45名。
(6月)日本国籍31名、外国籍93名。合計124名。
(7月)日本国籍58名、外国籍219名。合計277名。
(8月)日本国籍77名、外国籍120名。合計197名。
(9月)日本国籍69名、外国籍104名。合計173名。
(10月)日本国籍75名、外国籍142名。合計217名。
(11月)日本国籍128名、外国籍225名。合計353名。

以下のような記事を見ると尚更そう思ってしまいます。

海外帰国者「公共交通利用せず」守られているか 空港から乗ろうと思えば乗れてしまう現状|東洋経済 (2020/11/27 )
https://toyokeizai.net/articles/-/391575

イギリス、渡航者の14日間隔離が開始 守らなければ罰金も|BBC (2020/6/8)
https://www.bbc.com/japanese/52960907