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全ては想定の範囲内?

今回の福島第一原子力発電所の事故ですが、
以前から、今回の事故のような結果となることは想定されておりました。

先にご紹介した、武谷先生の「原子力発電」という本、これは1976年の本ですが、原子炉の緊急停止から、崩壊熱除去がうまくいかないとどうなるのか、もう40年も昔に想定され、計算されていたことなのです。

最近になって(それでもポツポツと少しずつ)情報が漏れるように伝わってきますが、まぁ福島第一の場合は最初の商用運転を行う、ということで、水質調査、気象、地質、海況、交通、人口分布などかなりの調査を行っています。
風向きとか、海流とかなんかは解っているんですよね。実は。

情報は探せば出てきます。
政府は一生懸命隠したいようですが、縦割り行政の悲しさ(平時であれば)というか、身内からも情報は出てきます。それが緊急リンクでも紹介しているKEKのサイトだったり、以下のような記事だったり。
この際です、少しずつ知恵をつけましょう。
政府やマスコミの言うことは(とても好意的に書くと)限りなく真っ黒なウソはなくても、せいぜいグレーであったり、きわめて一部のみで使えない情報ばかりです。
我々が知恵をつけていろいろな情報を分析するとウソもあぶりだされてくるはずです。
できるだけ正しいデータを集め、できるだけバイアスのかからない結論を見出して行動しようじゃありませんか。

【福島県飯舘村・現地レポート】
持続可能な村づくりを奪われた村――原子力災害の理不尽な実態
小澤祥司 ダイヤモンドオンライン
http://diamond.jp/articles/-/11978

冷却水の投入について東電はウソをついているのか。(妥当な量にはなっているみたいですが)

原子炉内が崩壊熱のみによって加熱されている場合に必要な水の投入量の推定
東北大学 流体科学研究所 圓山・小宮研究室
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/maru/atom/HTCRep/HTCRep.1.4.pdf

あと、お嫌いの方もいらっしゃるようですが、比較的、良心的な情報を発信されていると思います。

武田邦彦(中部大学)
http://takedanet.com/

緊急リンクに追加

以下のサイトを緊急リンクに追加しました。

関東各地の環境放射能水準の可視化
http://microsievert.net/

放射能漏れに対する個人対策(第3版)
http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html

Japan Geigermap
http://japan.failedrobot.com/

先の記事で紹介した、武谷三男先生の本を始め、ずいぶん昔(やはり30年くらい前に出版されたものばかり)をぼちぼち読んでいます。
ほぼ共通していることは、BWRで(まぁPWRだろうがなんだろうが同じなんですが)冷却が止まった場合どうなるのか、正確に予測されているということなんですね。情報としては、ずいぶん昔から存在していたわけです。

また、今回の事故について、事故調査委員会がやっと発足したらしいです。
調査なんて、2ヶ月も経って・・・遅すぎ。

以下、引用。

政府:福島原発事故調査委を設置-委員長に「失敗学」の畑村氏(1)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=aWEh2Jxd.Gp4

 5月24日(ブルームバーグ):政府は24日午前の閣議で、有識者で構成する「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」の設置を決定した。官邸が文書を配布した。記者会見した仙谷由人官房副長官によると、委員長には畑村洋太郎東大名誉教授(工学院大学教授)が就任し、菅直人首相も含めた閣僚の言動も委員会の検証対象となるという。

 仙谷氏は委員会の役割に関し、「国民目線に立って、開かれた中立的な立場から、徹底的に検証を行い、その結果を国内外に明らかにしていく必要がある」と指摘。その上で、「事故の検証結果を教訓として被害の拡大防止のために今後、どのような対策が必要か、再発防止のためにどのような対策を講じていくのかについて提言してもらう」と強調した。

 委員長に畑村氏を選んだことについて「原発事故当事者との利害関係がないことを重視した。失敗に学ぶ、同じ愚を繰り返さないためにはどうすればよいかを考える『失敗学』の先駆者、第一人者としても知られており、委員長として最も適任であると考えている」と語った。事務局長には検察関係者を充てることも明らかにした。

 また、仙谷氏は検証の対象について「東電はじめ関係行政機関や総理大臣も含めた閣僚の行動も聖域なく対象にして幅広く検証を行ってもらい、しっかりとした報告をまとめてもらいたい」と語った。

 報告書をまとめる時期については中間報告なども含め「適宜適切に公表されると考えている」との見通しを示した。情報の公開は「速やかに最大限なされていく」と語った。

財務調査
 これに先立ち、海江田万里経済産業相は24日午前の閣議後会見で、原発事故の賠償に向け、東京電力の財務調査を行う第三者委員会設置を午後の持ち回り閣議で決定することを明らかにした。

 仙谷氏は「東電の財務と経営をしっかりと調査して国民負担を極小化するという方向での調査委員会に活動を始めてもらうことになる」と語った。

 また、仙谷氏は金融機関や東電の株主による賠償スキームへの協力の在り方について見解を聞かれ、「賠償債務がどのぐらいになるのか、あるいは福島原発におけるオペレーション費用がどうなるのかについて企業会計上、専門家の間でも確たる結論的な話は出ていない」と指摘。「そういう場合に株主であれ、金融機関であれすべてのステークホルダーがどのように考えたらいいのかということはこれからの議論だ」と述べるにとどめた。

更新日時: 2011/05/24 12:00 JST

引用ここまで

読み物ご紹介

福島第一原発で何がおきたのか、
とてもよくまとまったサイトがありました。

福島原発メルトダウン
Seven Mile Beach File
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/cooldata2/politics/politics27.htm

以下は書籍です。30年も前の本です。
私は高校生の頃に買ったのを思い出し、今になって読み直しています。
データは古いものの、今回の事故について(とも思えるような)記載がところどころにあるのには改めて驚きです。

原子力発電 (岩波新書 青版 955) 武谷三男編
http://www.amazon.co.jp/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E9%9D%92%E7%89%88-955-%E6%AD%A6%E8%B0%B7/dp/4004111099

2ヶ月

あの地震から、そしてあの事故から2ヶ月経ちました。

政府も、東京電力も、マスコミも、情報を隠し(言わず)、あとから責任回避のためのようなタイミングで、誰も逃げられなくなってから重要なことを発表することを繰り返しています。

私は原子力発電の専門家ではありません。
ただ、エンジニアの端くれとして、動力源としての原子力は使うべきではないと考えています。

・原子炉は、止めたいときにすぐに止められない。(今回の福島がいい証拠)
・止めた後、人が入れなくなる領域が存在する。(放射線で)
・燃えカスを処理する方法が確立されていない。(現在提案されている方法はとてつもない年数がかかるか、(実現できたとしても)途方もない電力を使う必要がある。

未来永劫、自転車操業を強いるわけです。
まぁ、原子炉自体は私が生まれた時点ではもうすでに動いているわけで、簡単に止めるわけにはいかないし、今あるものを使わない選択をするのであれば慎重にする必要はあるとは思います。そういう事情はわかるわけです。

ただ、それは(青臭いかもしれませんが)やはり情報公開が重要、知りたいことは知ることができるというのが前提だと思うのですね。
ところが・・・・

ですから、主にネットからになりますが、できるだけリーズナブルな情報を取っていきたいと思います。
以下はご参考まで。真偽については触れませんが、できるだけたくさんの方に読んでいただきたい。

ひと月前の上杉隆氏の糾弾から情報公開は進んだのか!? 東電・政府・記者クラブによる国民を欺く「大本営発表」
http://www.webdice.jp/dice/detail/3044/

「どうしても放射性廃棄物を捨てるなら、東京に」原子力の識者がなぜ反原発を掲げるのか、京都大学原子炉実験所・小出裕章助教に聞く
http://www.webdice.jp/dice/detail/3034/

有志による放射線モニタリングのサイト

有志による放射線モニタリングのサイトをみつけました。
ご紹介します。

放射線・原子力教育関係者有志による全国環境放射線モニタリング
http://www.geocities.jp/environmental_radiation/

放射線の人体への影響については、専門家の間でも議論があるところです。
こちらのサイトで「デマに惑わされず、適切に判断するための科学情報」として紹介されている内容は、政府発表の立場に近いように見えます。

これらの見解がリーズナブルかどうかの判断は、情報を集め、学んだ上で個々で行いましょう。

(上記サイトは後ほど右側の「緊急リンク」にも入れておきます)