1mSv/年の閾値と運用

横浜市の回答からあった、「文部科学省が出した考え方」ってやつは、やはりおかしいです。おそらくこれのことなんでしょうが。

5月27日「当面の考え方」における「学校において『年間1 ミリシーベルト以下』を目指す」ことについて
http://eq.wide.ad.jp/files/110720release1.pdf

この文章ですが、読めば読むほどただの責任逃れをしているようで、気分が悪いです。

5月には、一般人が1mSv/年超えで東京電力が厳重注意処分されています。
「放射線業務従事者」ではないとはいえ、放射線を取り扱うプラントの従業員が1mSv/年超でまずい、とされているわけです。
判例では、5mSv/年で白血病を発病した「放射線業務従事者」が労災と認定されています。
放射線を、放射性物質を取り扱うための知識を持っている立場の人たちが(といってもそういう人々が閾値以下とはいったって浴びていいというものではないのですが)一般公衆よりも閾値が低いというのは逆じゃないですか。


引用ここから)

東電女性社員の被曝、保安院が厳重注意
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110525-OYT1T01213.htm

経済産業省原子力安全・保安院は25日、東京電力福島第一原発で放射線業務従事者でない女性社員2人が、年間限度量の1ミリ・シーベルトを超えて被曝した問題で、同社を文書で厳重注意し、個人線量計の確保など7項目の再発防止を指示した。

同原発では事故後、放射線管理区域外でも放射性物質が濃度限度を超えていたのに、同従事者でない女性社員5人を働かせていた。保安院は、放射線測定者の増員、同原発と福島第二原発で内部被曝の評価を徹底することなども求めた。
(2011年5月26日00時31分 読売新聞)

引用ここまで)

5mSv/年で白血病を発病した場合、労基所は労災に認定した判例。

引用ここから)

元浜岡原発労働者 白血病死に労災認定 労働省
http://homepage.mac.com/ehara_gen/jealous_gay/nuclear_power2.html

中部電力浜岡原子力発電所(静岡県浜岡町)で働いていた孫請け会社の元社員嶋橋伸之さん(当時29)が慢性骨髄性白血病で死亡し、両親が昨年5月に労災申請していた件で、労働省と磐田労働基準監督署(静岡)は27日までに、労災の申請を認める通知書を嶋橋さんの両親に送付した。福島第1原発の労働者に次いで2件目の認定になる。
申請書によると、嶋橋さんは1981年3月、中部電力の孫請け会社「協立プラントコンストラクト」に入社、死亡した91年10月まで在籍。浜岡原発炉心の下部にある中性子計測器の保守、点検、修理を担当、炉心の下にもぐりこんで作業をしていた。
87年ごろから顔がむくみ始め、88年6月の血液検査では、白血球数が1万3800、同11月の検査では9500と、明らかな異常値を示していたが、会社側は精密検査を受けさせず、被曝(ひばく)労働に従事させていた、という。89年夏ごろには体調を崩し、発熱が続いて2週間ほど寝込んだ。死ぬ間際の91年10月ごろは、歯肉からの出血が止まらない状態だった、という。
労働省は、白血病にかかった放射線業務従事者の労災認定の目安として、0.5(=5mSv)レム×従事年数が「相当の被曝量」としている。嶋橋さんの放射線管理手帳によれば、現場作業を離れる89年12月まで約8年10カ月間の累積被曝線量は50.93ミリシーベルト(5.093レム)。
弁護団は、この間の被曝だけで労災の認定基準は満たしている、としていた。
(朝日新聞 1994/07/27)

引用ここまで)