回答が来た! [公開質問] 認可保育所の園庭における放射線量測定について疑問

6/21に掲載した、以下の記事の内容にある質問について、横浜市から回答が来ました!

[公開質問] 認可保育所の園庭における放射線量測定について疑問
http://corsalibera.sytes.net/nicky.cgi?DT=20110621A#20110621A

サンプリングの方法や方針が少しでも明確になることや、根拠(データ)を元に安全と判断する、という内容が書かれており、回答自体は、真摯なものと感じました。

6月1日の市長定例記者会見の発表資料に「福島第一原子力発電所事故に伴う放射線物質の影響に対する不安をお持ちの方もいますので、こうした不安を払拭するため、地表近くの大気(空間線量)及び給食材料などについても、放射線量を測定し、公表します。」という表現とは(たとえやっている内容が同じでも)アプローチは間逆なんですね。
定例記者会見の資料は端折りすぎなのか、それとも現場に近いところではやはり(根拠)データをもって安全かどうか判断する必要があるだろうと思っているのか、そのどちらでもないのか。

私としては、現場の判断や考え方を出来るだけ含めた回答をいただいたものと思いたいです。

ただし、1mSvの閾値については、考え方に異論があります。
横浜市からの回答にもあるとおり、「放射線障害防止法は放射性同位元素の取り扱い」に関する法律であり、一般公衆向けのものではないことは承知しています。しかしながら、現在の事態について適用できる法律は他にはありません。バックグラウンドを除くと現在の事態というのは、本来はなかったものが事故とはいえ放出され、線量が問題となっているわけです。放射線による障害を防ぐためには、そのような地域全て(すなわち、測定の結果線量が高い、影響が出ているところ)を放射線管理区域として扱うべきではないでしょうか。
まぁ、肝心の文部科学省が法律を曲解して通達を出しちゃったらそれに抵抗するのは大変だとは思いますけどね。
(だって変だと思いませんか?放射線を職業で取り扱う環境が(最も安全側でですが)1mSv/年未満と決められて、その外の環境は1mSv/年は目標値ってのは。放射線管理区域の方が線量が低いという状態がそもそも正しいの?)

*以下、回答全文*
注)担当者のお名前と連絡先が記載されておりましたが、それは削除しました。それらを晒すのが目的ではありませんから。

このたびは、「市民からの提案」をお寄せいただきありがとうございました。
ご質問をいただきました件につきまして、次のとおりお答えします。

まず、放射線障害防止法は放射性同位元素の取り扱いに関する法律を定めたものとなっており、一般公衆に対する線量限度を定めたものではありません。
その上で、5月27日に文部科学省が発表した、「学校等における児童生徒が受ける線量の目標である年間1mSv以下」を、本市の目標値として設定しています。
0.114μSv/hを超えると年間1mSvを超えるのではないかとのご指摘ですが、標準的な保育所での生活パターンでは、1日に保育所にいる時間は11時間程度で、その中でも屋外での活動は4時間程度となっており、屋内では屋外に比較して放射線量が下がることや年間の保育所への登園日数を考慮すると、現在、各保育所で測定されている放射線量では、目標値を上回ることはないと考えております。
実効線量は組織ごとの影響の起こりやすさを考慮して、全身が均等に被ばくした場合と同一尺度で被ばくの影響を表す量を実効線量といい、「体外被ばく実効線量+体内被ばく実効線量」で評価することとなっております。
文部科学省は、福島県内の学校で当面1年間における被ばく線量を1mSv以下とすることを目標としていますが、実効線量という記載はありません。被ばくの評価という観点から実効線量が妥当であると考えますが、すべての児童に対し内部被ばく線量評価を実施することは現実的には難しく、持続的な評価はできません。
一方、内部被ばくについて検討すると、土の粒子は比較的大きいため、肺の奥(肺胞)まで達せずに体外に排出されること、土等を誤食したとしても、土は食品と異なり消化吸収されずに体外に排出されることから、ホコリの吸い込みや、土の誤食による内部被ばくの影響は、外部被ばくに比べわずかな量である(外部被ばくの2~4%程度)との原子力学会等の見解があります。
加えて、横浜では大気中の放射性物質濃度が、事故以前と同レベルであること、水道水では放射性物質不検出であること、食品についても暫定規制値を超えるものは出荷制限や出荷自粛等により管理されていることなどから、横浜における内部被ばくに関しては、日本人が、平時から宇宙線、大地、大気、食品等のから受けている自然被曝量(平均1.5mSv/年、このうち、内部被ばくは0.7~0.8mSv/年)に換算されている量を大きく超えることは無いと考えています。
これらを踏まえ、福島原発事故による影響について、迅速に実行可能な外部線量測定により把握・検討する対応が、現実的且つ有用であるという判断のもと、園庭・校庭等の空間線量測定を実施しております。
なお、保育所での放射線量の測定は、園庭の利用範囲内の四方及び中心付近の5地点としています。現時点では、上記のとおり日常的な保育所での生活には影響はないと考えています。
引き続き、放射線量の測定値に注意し安全性を確認するとともに、これまでどおり、遊んだ後に手や顔を洗うことや、汚れた衣類を着替えたりするといった基本的な事項を守るよう、各保育所を指導してまいります。
今後とも、児童の安全に十分配慮した上で保育が実施できるよう、横浜市として各保育所に対して情報を提供するなど、必要な対応を行ってまいりますので、ご理解・ご協力のほどお願いいたします。

平成23年7月6日
(市民からの提案 第23-220066号)

回答が来た! [公開質問] 認可保育所の園庭における放射線量測定について疑問」への3件のフィードバック

  1. ほーほ

    予想外に(^^; と言っては申し訳ない、まっとうな回答で安心しました。「不安を払拭する」という目的に合致しないデータは偽装・隠蔽も辞さない?と思わせる記者会見をやってのけた市長およびその取り巻きに比べて、現場は正常なようですね。やはり測定場所や数字など具体的で端的な対象と向かい合ってるかどうかの違いでしょうか。現場はあくまでも科学的に取り組んでいってほしいです。

  2. inagaki

    コメントありがとうございます。

    予想外にといっては失礼ですが、正直、以下のようなのが来たらどうしようかとも思いました。

    (これはさすがに開いた口がふさがりません)



    以下引用)

    東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射線の影響は心配ありません。

    http://www.pref.ibaraki.jp/important2/20110311eq/20110316_17/

  3. inagaki

    7/14付けで、横浜市のWebでも公開されてました。

    http://cgi.city.yokohama.jp/shimin/kouchou/search/data/23002423.html

    同様の質問はたくさんあるようなのですが、私の質問にはかなり具体的に回答されているように思うのですが、他の質問への回答はいまいち定型的で「まっとうでない」回答になっているのはなぜなんでしょうね。

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