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なんでもないゲタ車というのもなかなかいいもので・
・この表情をよぉくご覧になってから本文を読んでいただきたい・Barchettaを「ゲタ」というと怒るかな?>オーナドライバ殿(笑)
FIAT Barchetta
Picture Copyright Inagaki,Shiro
Fiat車の多くは、なんでもない実用車=ゲタです。足の形をした国からはるばると極東のこの島国に運ばれるとどうも「好き者グルマ」として扱われるようですが、立派なゲタです。確かに、SpiderやCoupeモデルが目立ちますし、これらは確かに「好き者グルマ」と呼ばれるのにふさわしいものがありますが、それは置いといて話を進めます。基本的にはフェラーリのようなスーパースポーツとはかけ離れているし、マセラティやランチアのような「身分の高い人向け」のものでもない、さらにアルファロメオのような「スペシャリテ」でもないです。実用に使ってナンボという感をただよわせる、例えばドイツ車で言えばVW車のような存在です。一般の市民にゲタとして使われる存在なのです。ですから、装飾も最小限、派手に性能を誇示するようなスペックもないです。でも、それゆえの美点があります。「虚飾を廃したよさ」とでもいいましょうか。
・600(Seicento)です。日本ではちょっとマイナーですけど、その後のリアエンジンのFiat車のベースになった「名車」です。現代の道でも立派に「ゲタ」として役にたつのはすごいです。40年も昔のクルマなのに・
FIAT 600
Picture Copyright Inagaki,Shiro
ちょっと前のウィスキーのCMだったと思いますが、「なにも足さない、なにも引かない・」というものがありました。まさにこの言葉がピッタリだな、と私は思います。この言葉をプロダクツに生かすのって、非常に難しいのです。必要最小限、かつ過剰なものはつけないという、極めてシンプルなもので人を満足させるのですから。例えてみれば、かけそばのようなものといってもいいでしょう。かけそばだって、非常にシンプルですが、旨いものには、「技」が効いてきます。そばのうちかたからゆで方、つゆの作り方・シンプルであるがゆえにごまかしが効かず、失敗も致命的なものになるのです。
・さて、急に現代に飛んで、Puntoです。
Punto (3Dr. model)
Picture Copyright “Fiat.com”
http://www.fiat.com/
まぁ、クルマには限らないと思うんですけど、このようなシンプルな道具ってそれ自体のメカを追求する楽しみというのは少ないかもしれませんが、逆に追求しなければならない・という呪縛が内分だけ、「その道具がある生活」を楽しむことができるのではないかな・と思うのです。
クルマ好きというと、なぜかすぐにエンジンのパワーがないからチューンしたいとか、足周りが柔らかくて不安定だから堅くしたい、とか言う方向に向くような気がします。確かに、私だってエンジンのパワーを上げるためにはどうしたらいいかな・「ハイカムつっこんで圧縮上げて・いやいや、排気系と吸気系をいじって・とか、ハードなショックをいれてブッシュを堅く・いやいやいっそのことピロ足を・それよりも空力を改善するのに・」なんて話するのは嫌いではないし、むしろ好きなほうではあるのですけど、でも、それって「クルマで楽しむ生活」でなくて、「クルマを楽しむ」だけになってしまうような気がします。
・さて、ご存じTipo。こいつも立派にゲタです。身贔屓(笑)
FIAT Tipo (5Dr. model)
Copyright “The Fiat-Tipo Pages”
実際、自分のクルマをチューンして、サーキットで、峠で前よりコンマ何秒速く走れた、とか最高速が何km/h上がったとかいうのも楽しいけど、仲のいい友達といっしょにどこかに出かけてあ~でもない、こ~でもないと話をしたり、どこかに美味いものはないかな、どこぞに綺麗な女性はいないかなぁと探してみたりするのもそれ以上に楽しいのではないかな、と思うのです。で、そこにちょっと趣味のいい道具がいっしょにある、と。こんなのもなかなかいいものだと思うんですけど・